税務署から大家さんへのお尋ね
平成25年7月以降、税務署から大家さんへのお尋ね
(「決算書(収支内訳書)の内容についてのお尋ね」や「不動産の利用状況についてのお尋ね」など)として文書照会が送られてくるケースが増えています。
今まで通りの確定申告をして、特に変わったことをしていないのに、「なぜ送られてくるの?」と思う方もいらっしゃると思います。
なぜかと言うと、
東京国税局から、税理士会の方に
「平成25年7月から、不動産所得を有する方を対象に、文書照会実施しますよ」とお達しがあったのです。
東京税理士会神田支部のホームページに文書がアップされています。
東京税理士会神田支部
「不動産所得を有する方」に対する文書照会についての周知等のお願い(依頼)http://www.zei-kanda.org/info/20130611.pdf
目的は、最近、不動産所得で誤りがある事例が多いからとのこと。
確かに、大家さんの確定申告は、かなり特殊です
気をつけなければいけないことが多いのです。
例えば、
物件購入時の仲介手数料や固定資産税精算金は、経費ではなく
土地や建物の資産に計上します。
また、登録免許税や不動産取得税は、資産計上ではなく、経費にしなければいけません。
(法人の場合は、資産計上か経費か選択できますが、個人の場合は必要経費のみです)
このお尋ねですが、
調査ではなく、行政指導です。
調査ではないので、このお尋ねによる、自主的な見直しによる修正申告には、
加算税が減免されます。
また、行政指導ということは、回答の義務はありません。
行政指導に従わなくても不利益な扱いはされません。
法律上でも明記されています。
(行政指導の一般原則)
第32条 行政指導にあっては、行政指導に携わる者は、いやしくも当該行政機関の任務又は所掌事務の範囲を逸脱してはならないこと及び行政指導の内容があくまでも相手方の任意の協力によってのみ実現されるものであることに留意しなければならない。
2 行政指導に携わる者は、その相手方が行政指導に従わなかったことを理由として、不利益な取扱いをしてはならない。
ただ、回答をしないことにより調査に発展することも考えらます。
無用な調査を避けるためにも、回答はしておいた方がよいかと思います。
ご不安な方は、是非ご相談ください。